原種シクラメン

 シクラメンの原種は、地中海沿岸、ギリシャからチュニジアにかけて自生しており、その名の由来はギリシャ語のキクロスの受粉後に花茎がらせん状に変化する性質からきている。シクラメンは土から芽を出すときは一枚で、子葉から7,8枚目の葉が出た頃から花芽の形成を始める。ハート型をした柄の長い葉には白斑があり、葉の中央に細い茎を伸ばし、その頂点に花をつける。葉芽と花芽は一対で発生し、白や赤、黄、桃色など、多様性に富んだ色の花を秋から春にかけて咲かせる。

 シクラメンには園芸種と原種がある。園芸種は、多くの人が庭で育てている園芸用のシクラメンで、野生種を品種改良したものである。公園に咲いているシクラメンは野生の原種シクラメンで、園芸種のものよりは花が小ぶりで、濃いピンクや薄いピンク色の可愛い花を咲かせるのが特徴である。原種シクラメンのらせん状の花茎は、長い年月にわたって、種が鳥類に食べられないようにするしくみであり、過酷な環境を生き抜くために勝ち取った素晴らしい性質であると言える。

 シクラメンに関する伝説に、ソロモン王の王冠のデザインにまつわる話がある。草花が好きだったソロモン王が、王冠に何かの花のデザインを取り入れようと、様々な花と交渉したが断られ、唯一承諾してくれたのがシクラメンであった。その時、王がシクラメンに感謝の気持ちを告げると、それまで上を向いていたシクラメンが恥ずかしさとうれしさのあまりにうつむいてしまった。その後、シクラメンがやや下向きに花をつけることが多くなったと言われている。シクラメンの花言葉は「内気なはにかみ」である。

ホトトギス

 ホトトギスは細い茎を伸ばした先に、濃い紫色の斑点が入った小さな白い花を上向きに咲かせる。草丈は1m以下で一つの枝から1~3輪ほど分岐して開花する性質がある。開花期は7月から始まり、10月頃まで開花し続けるが、見頃は8、9月である。元禄時代から人々に慕われてきた花であり、夏の終わりと秋の到来を感じさせる植物である。

 原産は、日本や台湾で、様々な色や模様を持った品種がある。シロホトトギス、ヤマジノホトトギス、ヤマホトトギス、キバナホトトギス、タマガワホトトギス、ジョウロウホトトギス、セトウチホトトギス、タイワンホトトギスなど、10種類程度が日本で育っている。ホトトギスの名は、斑点模様の鳥のホトトギスの胸毛の模様に例えて呼ばれるようになったようだ。日陰でも育つ秋の花として親しまれており、適度な湿気のある場所でよく生育する。花の型は、杯型と釣り鐘型があり、杯型は上向きに、釣り鐘型は下向きに花を咲かせる。一般的なホトトギスの花は、白地に紫色の斑点が入ったものであるが、黄色い花を咲かせる種類もある。

 ホトトギスの花言葉は、「永遠にあなたのもの」、「秘められた恋」、「永遠の若さ」などと言われている。鳥のホトトギスが霊長とされていたことにちなんで、花のホトトギスも格調高い花として茶花や生け花に古くから用いられており、もの静かな風情を醸し出し、落ち着いた雰囲気を感じさせる点から、詩に読まれたり、素焼きの壺、つり花などに取り入れられている。

ウラシマソウは絶滅危惧種

 ウラシマソウは、2015年4月にこもれびの丘の雑木林で見つけて以来、公園では見ることができなくなっている。以前から、ウラシマソウは絶滅危惧種に指定されている山野草である。ウラシマソウは葉の下に、肉穂花序と呼ばれる穂のような花をつけるが、その先端の姿が浦島太郎が持っていた釣り竿の糸と似ていることから、このように呼ばれるようになったと言われている。花は、仏炎苞と呼ばれる黒褐色か、赤褐色、緑白色の苞に包まれている。
 草丈は、30~80cm程度で、開花期は4月から5月で、地下に里芋に似た大きな球根があり、春になると芽を伸ばす。ウラシマソウは性転換する植物として知られており、力のない株は雄花、力のある株は雌花になると言われている。生育の状態によって、毎年、雄花をつけるか、雌花をつけるか変わってくる。
 秋頃には、トウモロコシを縮小したような真っ赤な実をつける。美しい姿を見せるが、ウラシマソウの実にはサポニンという毒が含まれており、食べると激しい嘔吐や激痛に襲われる。
 ウラシマソウの花言葉は、不在の友を想う、懐古、回想などといわれている。ウラシマソウの種類は、南国に自生するナンゴクウラシマソウ、小型のウラシマソウであるヒメウラシマソウ、茎のまだら模様がマムシに似ていることからつけたマムシグサ、肉穂花序の先端が雪のように白く、餅のように丸いことから名付けられたユキモチソウ、大型種でありボクシングのグローブのような形をしたムサシアブミなど、数種類のものがある。

 最近、絶滅危惧種、準絶滅危惧種が増加しつつある傾向が気になる。

秋を彩るコスモスの花畑

 みんなの原っぱ、花の丘、こもれびの里など、公園のあちこちでコスモスの花が今が盛りと咲き誇っている。赤色、黄色、桃色、白色、茶色など、多彩な彩りで公園の広場を飾っている。緑の葉の色と多彩な花の色の織りなす風景は錦絵のように見える。秋の素晴らしい光景の一つである。

 コスモスは秋桜ともいい、秋の花として有名な草花である。原産地はメキシコで、茎の高さは2~3mにもなり、頭花は6~10cm、舌状花は通常8個で、周囲の舌状花は白色や淡紅色、濃紅色が多く、中央の筒状花は黄色、葯は黄褐色で、花は本来一重咲きであるが、舌状花が丸まったものや八重咲きなどの品種も開発されている。種類としては、オオハルシャギク、キバナコスモス、チョコレートコスモスなどがある。日本への到来は、明治時代にメキシコからスペインに渡り、イタリアから持ち込まれたらしい。

 花言葉は、色別に異なり、白色のコスモスは「優美」、「美麗」、赤色のコスモスは「乙女の愛情」、ピンク色のコスモスは「乙女の純潔」、黄色のコスモスは「野生の美しさ」、茶色のコスモスは「恋の終わり」と言われている。